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新規ユーザは Mercurial の分散開発モデルに混乱するかもしれません。
このページでは、いくつかの基本概念を解説しようと思います。
順を追った説明は ["JapaneseTutorial"] を参照してください。

[[TableOfContents]]
#language ja
#pragma sectio
n-numbers 2
=
Mercurial を理解る =
新規ユーザは Mercurial の分散開発モデルに混乱するかもしれません。このページでは、いくつかの基本概念を解説しようと思います。 順を追った説明は [[JapaneseTutorial|チュートリアル]] を参照してください。

<<TableOfContents>>
Line 10: Line 9:

Mercurial のリポジトリは、
store と作業領域ディレクトリの対を持っています。
Mercurial の [[Repository|リポジトリ]] には store と連動した [[WorkingDirectory|作業ディレクトリ]] があります:

{{{#!dot
digraph G {
 rankdir = LR;
 compound=true;
 background="#999999";
 subgraph cluster_0 {
  label="working directory";
  style=filled;
  color=lightgrey;
  node [style=filled,color=white];
  edge [style=invis];
  "main.c" -> "main.h" -> ".hgignore" -> ".hgtags";
 }
 subgraph cluster_1 {
  label = "store";
  labelloc = b;
  style=filled;
  color="#eeeeee";
  node [shape=box, style=filled, color=lightgray];
  "rev 0" -> "rev 1" -> "rev 2" -> "rev 3" [dir=back, label="parent"];
 }
 "main.c" -> "rev 2" [ltail=cluster_0, label="parent", labeldistance=5, minlen=2];
}
}}}
store は、プロジェクトの'''完全な'''履歴を格納しています。唯一中央にのみ履歴のコピーを持つ旧来の SCM 類と異なり、全ての作業領域ディレクトリは、履歴のプライベートなコピーを持っています。これにより、開発を並列に行うことが出来ます。

作業領域ディレクトリは、指定された時点 (例えば rev 2) におけるプロジェクトファイルのコピーを持っており、それらを編集することが出来ます。[[Tag|タグ]] や [[.hgignore|無視するファイル]] に関する設定もリビジョン管理されているので、それらの情報も含まれています。

== 変更のコミット ==
[[Cmd:commit|コミット]] の際には、 parent (親) に対する作業ディレクトリの状態が、新しい [[ChangeSet|チェンジセット]] として記録されます。(新しい "[[Revision|リビジョン]]" とも言います):
Line 19: Line 47:
 subgraph cluster_1 {
  style=filled;
  color="#eeeeee";
  node [shape=box,style=filled,color=lightgray];
  "rev 0" -> "rev 1" -> "rev 2" -> "rev 3";
  label = "store";
 }
Line 27: Line 48:
  label="working directory";
Line 32: Line 54:
  label="working directory";
 }
 "rev 2" -> ".hgtags" [lhead = cluster_0 constraint=false]
}
}}}

store は、プロジェクトの'''完全な'''履歴を格納しています。
唯一中央にのみ履歴のコピーを持つ旧来の SCM 類と異なり、
全ての作業領域ディレクトリは、
履歴のプライベートなコピーを持っています。
これにより、開発を並列に行うことが出来ます。

作業領域ディレクトリは、
指定された時点(例えば rev 2)
におけるプロジェクトファイルのコピーを持っており、
それらを編集することが出来ます。
タグや無視するファイルに関する設定もリビジョン管理されているので、
それらの情報も含まれています。

== 変更のコミット ==

'''コミット'''の際には、
parent (親)リビジョンに対する作業領域ディレクトリの相対的な状態が、
新たなリビジョンとして記録されます。

{{{#!dot
digraph G {
 compound=true;
 rankdir = LR
 background="#999999";
 }
Line 63: Line 56:
  label = "store";
  labelloc = b;
Line 66: Line 61:
  "rev 0" -> "rev 1" -> "rev 2" -> "rev 3";
  "rev 2" -> "rev 4";
  label = "store";
 }
 subgraph cluster_0 {
  style=filled;
  color=lightgrey;
  node [style=filled,color=white];
  edge [style=invis];
  "main.c"-> "main.h" -> ".hgignore" -> ".hgtags"
  label="working directory";
 }
 "rev 2" -> ".hgtags" [style = dotted lhead = cluster_0 constraint=false]
 "rev 4" -> ".hgtags" [lhead = cluster_0 constraint=false]
 ".hgtags" -> "rev 4" [color = red label = "commit" ltail = cluster_0 constraint=false]
}
}}}

rev 4 は、
作業領域ディレクトリの(parent)リビジョンであった
rev 2 に対する'''ブランチ'''である点に注意してください。
'''コミット'''により、rev 4 がその時点での作業領域ディレクトリの
'''parent''' リビジョンになります。
  "rev 0" -> "rev 1" -> "rev 2" -> "rev 3" [dir=back];
  "rev 2" -> "rev 4" [dir=back];
 }
 "rev 2" -> ".hgtags" [dir=back, style=dotted, lhead=cluster_0, label="parent before commit"]
 "rev 4" -> ".hgtags" [dir=back, color=red, lhead=cluster_0, headlabel="commit", labelfontcolor=red ]
}
}}}
rev 4 は、作業領域ディレクトリの (parent) リビジョンであった rev 2 に対する'''[[Branch|ブランチ]]'''である点に注意してください。'''コミット'''により、rev 4 がその時点での作業領域ディレクトリの '''parent''' リビジョンになります。
Line 91: Line 71:

Mercurial は、複数のファイルに対する関連する変更を、
単一不可分な'''チェンジセット'''に分類し、
これらがプロジェクト全体における'''リビジョン'''となります。
これらはそれぞれ一連のリビジョン番号を持ちます。
Mercurial は分散並行開発を許容しているので、
ユーザー間でこれらの番号が食い違う可能性があります。
そのため、Mercurial は各リビジョンにグローバルな
'''チェンジセット ID'''を割り当てます。
チェンジセット ID は 40 桁の 16 進数ですが、
"e38487" のように、紛らわしさのない長さまで省略可能です。

{{{#!dot
digraph {
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   "rev 0:838e" -> "rev 1:34ef" -> "rev 2:4563"
   "rev 1:34ef" -> "rev 3:fe56"
   "rev 2:4563" -> "rev 4:ac98"
   "rev 3:fe56" -> "rev 4:ac98"
   "rev 4:ac98" -> "rev 5:0345"
   "rev 4:ac98" -> "rev 6:19e3 (tip)"
   label="example history"
}
}}}

履歴中のブランチの分岐やマージは、任意の時点で発生し得ます。
マージされない個々のブランチは、
履歴中に新規の'''head'''を形成します。
この例では rev 5 および rev 6 が head です。
Mercurial は、
最もリビジョン番号の大きい head として、
rev 6 をリポジトリの '''tip''' とみなします。

== 複製、変更、マージおよび pull ==

以下のような store を持つユーザ Alice として作業を始めましょう。

{{{#!dot
digraph {
   label="Alice's Repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a->b->c->d
}
}}}

Bob がこのリポジトリを'''複製(clone)'''すると、
Alice の store の完全なコピーを得ることが出来ます
(但し、Bob の作業領域ディレクトリは、Alice のものからは独立しています)。

{{{#!dot
digraph {
   label="Bob's Repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a->b->c->d
}
}}}

次に、Bob は幾つかの変更を'''コミット'''します。

{{{#!dot
digraph {
   label="Bob's Repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a->b->c->d->e->f
   e [color=blue]
   f [color=blue]
}
}}}

それとは並行して、
Alice は自身の変更を加えます。

{{{#!dot
digraph {
   label="Alice's Repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a->b->c->d->g
   g [color=red]
}
}}}

Bob が同期のために Alice のリポジトリから '''pull(引き寄せ)''' します。
pull により Alice の全ての変更が Bob のリポジトリにコピーされます。

{{{#!dot
digraph {
   label="Bob's Repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a->b->c->d->e->f
   e [color=blue]
   f [color=blue]
   d->g
   g [color=red;label="g (tip)"]
}
}}}

Alice の '''g''' が Bob のリポジトリにおける最新の head なので、
この時点で '''g''' が '''tip''' となります。
Bob が作業を行っていた直近の変更('''f''')と tip を'''マージ'''し、
結果をコミットすることで、Bob のリポジトリは以下のような状態になります。

{{{#!dot
digraph {
   label="Bob's Repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a->b->c->d->e->f
   e [color=blue]
   f [color=blue]
   d->g
   g [color=red]
   f->h
   g->h
Mercurial は、複数のファイルに対する関連する変更を、単一不可分な'''[[ChangeSet|チェンジセット]]'''に分類し、これらがプロジェクト全体における'''リビジョン'''となります。これらはそれぞれ一連の[[RevisionNumber|リビジョン番号]]を持ちます。Mercurial は分散並行開発を許容しているので、ユーザー間でこれらの番号が食い違う可能性があります。そのため、Mercurial は各リビジョンにグローバルな'''[[ChangeSetID|チェンジセット ID]]'''を割り当てます。チェンジセット ID は 40 桁の 16 進数ですが、"e38487" のように、紛らわしさのない長さまで省略可能です。

{{{#!dot
digraph {
   rankdir = LR
   node [shape=record]
   rev0 [label="{{<p1> p1 | <p2> p2} | rev 0:838e}"];
   rev1 [label="{{<p1> p1 | <p2> p2} | rev 1:34ef}"];
   rev2 [label="{{<p1> p1 | <p2> p2} | rev 2:4563}"];
   rev3 [label="{{<p1> p1 | <p2> p2} | rev 3:fe56}"];
   rev4 [label="{{<p1> p1 | <p2> p2} | rev 4:ac98}"];
   rev5 [label="{{<p1> p1 | <p2> p2} | rev 5:0345}"];
   rev6 [label="{{<p1> p1 | <p2> p2} | rev 6:19e3 (tip)}"];
   workingdir [label="{{<p1> p1 | <p2> p2} | working directory}"];
   rev0 -> rev1:p1 [dir=back]
   rev1 -> rev2:p1 [dir=back]
   rev1 -> rev3:p1 [dir=back]
   rev2 -> rev4:p1 [dir=back]
   rev3 -> rev4:p2 [dir=back]
   rev4 -> rev5:p1 [dir=back]
   rev4 -> rev6:p1 [dir=back]
   rev6 -> workingdir:p1 [dir=back]
   label="example repository"
}
}}}
履歴中のブランチの分岐や[[Merge|マージ]]は、任意の時点で発生し得ます。マージされない個々のブランチは、履歴中に新規の[[Head|head]]を形成します。 この例では rev 5 および rev 6 が head です。Mercurial は、最もリビジョン番号の大きい head として、rev 6 をリポジトリの [[Tip|tip]] とみなします。 リビジョン 4 は [[MergeChangeset|マージ チェンジセット]] で、 parent チェンジセットが ''2 つ'' あります。(リビジョン 2 と 3)

== 複製、変更、マージ pull および更新 ==
Alice に以下のようなリポジトリがあるとしましょう:

{{{#!dot
digraph {
   label="Alice's repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a -> b -> c -> d -> "working dir" [dir=back]
}
}}}
Bob がこのリポジトリを複製 (clone)すると、 Alice の store の完全なコピーを得ることが出来、作業コピーには最も新しいリビジョン d がそのままチェックアウトされます:

{{{#!dot
digraph {
   label="Bob's repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a -> b -> c -> d -> "working dir" [dir=back]
}
}}}
Bob は Alice と無関係に作業を進められるようになり、 e と f の変更をコミットしました:

{{{#!dot
digraph {
   label="Bob's repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a -> b -> c -> d -> e -> f -> "working dir" [dir=back]
   e [color=blue]
   f [color=blue]
}
}}}
一方 Alice は独自に g という変更を加えました。 これで Alice のリポジトリ store は Bob から枝分かれし、 [[Branch|ブランチ]] ができたことになります:

{{{#!dot
digraph {
   label="Alice's repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a -> b -> c -> d -> g -> "working dir" [dir=back]
   g [color=red]
}
}}}
ここで Bob は Alice のリポジトリを pull し、同期を取ります。 Alice の変更点が全て Bob のリポジトリ store へコピーされます。(ここでは、 g の変更だけです。) Bob の作業ディレクトリは pull によって変更 '''されない''' ことに注意しましょう:

{{{#!dot
digraph {
   label="Bob's repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a -> b -> c -> d -> e -> f -> "working dir" [dir=back]
   e [color=blue]
   f [color=blue]
   d -> g [dir=back]
   g [color=red, label="g (tip)"]
}
}}}
Alice の '''g''' が Bob のリポジトリにおける最新の head なので、この時点で '''g''' が '''tip''' となります。

ここで Bob が [[Merge|マージ]] すると、 Bob が作業していた最新の変更 (f) とリポジトリの tip が結合されます。 作業コピーには 2 つの parent リビジョン (f と g) ができました:

{{{#!dot
digraph {
   label="Bob's repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a -> b -> c -> d -> e -> f [dir=back]
   e [color=blue]
   f [color=blue]
   d -> g [dir=back]
   g [color=red]
   f -> "working dir" [dir=back, weight=3.0]
   g -> "working dir" [dir=back, weight=3.0]
}
}}}
作業コピーのマージ結果を調べて、マージが完璧だと確認したら、Bob は結果をコミットし、 [[MergeChangeset|マージ チェンジセット]] h が Bob の store にできます:

{{{#!dot
digraph {
   label="Bob's repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a -> b -> c -> d -> e -> f [dir=back]
   e [color=blue]
   f [color=blue]
   d -> g [dir=back]
   g [color=red]
   f -> h [dir=back, weight=3.0]
   g -> h [dir=back, weight=3.0]
   h -> "working dir" [dir=back]
   h [color=green, label="h (tip)"]
}
}}}
ここで Alice が Bob から '''pull''' したら、 Bob の e, f, h の変更が Alice の store へ取り込まれます:

{{{#!dot
digraph {
   label="Alice's repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a -> b -> c -> d -> e -> f [dir=back]
   e [color=blue]
   f [color=blue]
   d -> g [dir=back]
   g [color=red]
   f -> h [dir=back, weight=3.0]
   g -> h [dir=back, weight=3.0]
   g -> "working dir" [dir=back]
Line 213: Line 210:

この時点で
Alice が Bob のリポジトリから '''pull''' した場合、
Bob の持つ e、f および h の変更が取得され、
二人のリポジ
トリは完全に同期されます。

{{{#!dot
digraph {
   label="Alice's Repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a->b->c->d->g
   d->e->
f
   e [color=blue]
   f [color=blue]
   g [color=red]
   f->h
   g->h
   h [color=green;
label="h (tip)"]
}
}}}

== 非集中
型システム ==

Mercurial は完全な非集中型のシステムですので、
中央リポジトリといった内部概念がありません。
そのため、変更を共有するための伝播経路を、
ユーザが自由に定めることができます。
Alice の作業ディレクトリは pull よって変化しないことに注意しましょう。 作業ディレクトリをマージチェンジセット h へ同期するには、 [[Update|更新 (update)]] する必要があります。 これで、作業ディレクトリの parent チェンジセットが h へ変わり、リビジョン h の内容へ作業ディレクトリのファイルが更新されます。

{{{#!dot
digraph {
   label="Alice's repo"
   rankdir = LR
   node [shape=box]
   a -> b -> c -> d -> e -> f [dir=back]
   e [color=blue]
   f [color=blue]
   d -> g [dir=back]
   
g [color=red]
   f -> h [dir=back, weight=3.0]
   g -> h [dir=back, weight=3.0]
   h -> "working dir" [dir=back]
   h [color=green,
label="h (tip)"]
}
}}}
さぁ、再び Alice と Bob はすっかり同期が取れました。

== 分散
型システム ==
Mercurial は完全な非集中型のシステムですので、中央リポジトリといった内部概念がありません。そのため、変更を共有するための伝播経路を、ユーザが自由に定めることができます。 (CommunicatingChanges 参照):
Line 251: Line 243:
   "Carl の Laptop" -> Carl
   Carl -> "Carl の Laptop"
   "Carl の Laptop" -> Central
   "Carl's Laptop" -> Carl
   Carl -> "Carl's Laptop"
   "Carl's Laptop" -> Central
Line 259: Line 251:
Mercurial 利用に関する実践的な入門は、
["JapaneseTutorial"] を参照してください。

==
訳注 ==

履歴情報を格納する '''store''' は、
単なる「格納領域」以上のニュアンスがあるため、
原文の表記をそのまま残しました。

CVS や Subversion といった他の SCM ツールによって、
既に一般化したと思われる語(e.g.: branch、commit、merge 等)
に関してはカタカナ表記としましたが、
Mercurial 固有の(あるいはコマンド名を意識した)ものに関しては、
原文の表記をそのまま残しました(e.g.: parent、head、tip 等)。

'''parallel''' は計算機科学的には「並列」ですが、
言い回しが不自然になるので「並行」としました。
集中バージョン管理システムでは実験が面倒なことになりがちですが、 Mercurial のような DVCS では、 clone して試してみるだけです。 結果が気に入れば逆に pull し直し、そうでなければ clone したリポジトリをきれいさっぱり忘れて別のことを試せばよいのです。

== Mercurial ができること ==
SVN や CVS ユーザーは、関連するプロジェクトをひとつのリポジトリへまとめがちです。 これは Mercurial には全くそぐわないため、別の方法でやってみなければなりません。 具体的に言うと、リポジトリのディレクトリひとつだけをチェックアウトできないということです。

どうしても複数のプロジェクトをメタリポジトリのような形で提供する必要があるなら、 [[Subrepository|サブリポジトリ]] 機能を使ってみると良いでしょう。 Mercurial 1.3 より古い場合は、 ForestExtension を検討してください。

Mercurial 利用に関する実践的な入門は、 [[JapaneseTutorial|チュートリアル]] を参照してください。
## 訳注:
##
##
履歴情報を格納する store は、単なる「格納領域」以上のニュアンスがあるため、
## 原文の表記をそのまま残しました。
##
##
CVS や Subversion といった他の SCM ツールによって、 既に一般化したと思われる語
##
(e.g.: branch、commit、merge 等)に関してはカタカナ表記としましたが、
## Mercurial 固有の(あるいはコマンド名を意識した)ものに関しては、
## 原文の表記をそのまま残しました(e.g.: parent、head、tip 等)。
Line 277: Line 270:
CategoryJapanese [[BrazilianPortugueseUnderstandingMercurial|Brazilian Portuguese]], [[CzechUnderstandingMercurial|Czech]], [[GermanUnderstandingMercurial|Deutsch]], [[UnderstandingMercurial|English]], [[FrenchUnderstandingMercurial|Français]], [[ItalianUnderstandingMercurial|Italiano]], [[RussianUnderstandingMercurial|Russian]], [[SpanishUnderstandingMercurial|Spanish]], [[ThaiUnderstandingMercurial|Thai]], [[ChineseUnderstandingMercurial|中文]], [[KoreanUnderstandingMercurial|한국어]]

Mercurial を理解する

新規ユーザは Mercurial の分散開発モデルに混乱するかもしれません。このページでは、いくつかの基本概念を解説しようと思います。 順を追った説明は チュートリアル を参照してください。

1. リポジトリにあるもの

Mercurial の リポジトリ には store と連動した 作業ディレクトリ があります:

store は、プロジェクトの完全な履歴を格納しています。唯一中央にのみ履歴のコピーを持つ旧来の SCM 類と異なり、全ての作業領域ディレクトリは、履歴のプライベートなコピーを持っています。これにより、開発を並列に行うことが出来ます。

作業領域ディレクトリは、指定された時点 (例えば rev 2) におけるプロジェクトファイルのコピーを持っており、それらを編集することが出来ます。タグ無視するファイル に関する設定もリビジョン管理されているので、それらの情報も含まれています。

2. 変更のコミット

コミット の際には、 parent (親) に対する作業ディレクトリの状態が、新しい チェンジセット として記録されます。(新しい "リビジョン" とも言います):

rev 4 は、作業領域ディレクトリの (parent) リビジョンであった rev 2 に対するブランチである点に注意してください。コミットにより、rev 4 がその時点での作業領域ディレクトリの parent リビジョンになります。

3. リビジョン、チェンジセット、head および tip

Mercurial は、複数のファイルに対する関連する変更を、単一不可分なチェンジセットに分類し、これらがプロジェクト全体におけるリビジョンとなります。これらはそれぞれ一連のリビジョン番号を持ちます。Mercurial は分散並行開発を許容しているので、ユーザー間でこれらの番号が食い違う可能性があります。そのため、Mercurial は各リビジョンにグローバルなチェンジセット IDを割り当てます。チェンジセット ID は 40 桁の 16 進数ですが、"e38487" のように、紛らわしさのない長さまで省略可能です。

履歴中のブランチの分岐やマージは、任意の時点で発生し得ます。マージされない個々のブランチは、履歴中に新規のheadを形成します。 この例では rev 5 および rev 6 が head です。Mercurial は、最もリビジョン番号の大きい head として、rev 6 をリポジトリの tip とみなします。 リビジョン 4 は マージ チェンジセット で、 parent チェンジセットが 2 つ あります。(リビジョン 2 と 3)

4. 複製、変更、マージ pull および更新

Alice に以下のようなリポジトリがあるとしましょう:

Bob がこのリポジトリを複製 (clone)すると、 Alice の store の完全なコピーを得ることが出来、作業コピーには最も新しいリビジョン d がそのままチェックアウトされます:

Bob は Alice と無関係に作業を進められるようになり、 e と f の変更をコミットしました:

一方 Alice は独自に g という変更を加えました。 これで Alice のリポジトリ store は Bob から枝分かれし、 ブランチ ができたことになります:

ここで Bob は Alice のリポジトリを pull し、同期を取ります。 Alice の変更点が全て Bob のリポジトリ store へコピーされます。(ここでは、 g の変更だけです。) Bob の作業ディレクトリは pull によって変更 されない ことに注意しましょう:

Alice の g が Bob のリポジトリにおける最新の head なので、この時点で gtip となります。

ここで Bob が マージ すると、 Bob が作業していた最新の変更 (f) とリポジトリの tip が結合されます。 作業コピーには 2 つの parent リビジョン (f と g) ができました:

作業コピーのマージ結果を調べて、マージが完璧だと確認したら、Bob は結果をコミットし、 マージ チェンジセット h が Bob の store にできます:

ここで Alice が Bob から pull したら、 Bob の e, f, h の変更が Alice の store へ取り込まれます:

Alice の作業ディレクトリは pull によって変化しないことに注意しましょう。 作業ディレクトリをマージチェンジセット h へ同期するには、 更新 (update) する必要があります。 これで、作業ディレクトリの parent チェンジセットが h へ変わり、リビジョン h の内容へ作業ディレクトリのファイルが更新されます。

さぁ、再び Alice と Bob はすっかり同期が取れました。

5. 分散型システム

Mercurial は完全な非集中型のシステムですので、中央リポジトリといった内部概念がありません。そのため、変更を共有するための伝播経路を、ユーザが自由に定めることができます。 (CommunicatingChanges 参照):

集中バージョン管理システムでは実験が面倒なことになりがちですが、 Mercurial のような DVCS では、 clone して試してみるだけです。 結果が気に入れば逆に pull し直し、そうでなければ clone したリポジトリをきれいさっぱり忘れて別のことを試せばよいのです。

6. Mercurial ができること

SVN や CVS ユーザーは、関連するプロジェクトをひとつのリポジトリへまとめがちです。 これは Mercurial には全くそぐわないため、別の方法でやってみなければなりません。 具体的に言うと、リポジトリのディレクトリひとつだけをチェックアウトできないということです。

どうしても複数のプロジェクトをメタリポジトリのような形で提供する必要があるなら、 サブリポジトリ 機能を使ってみると良いでしょう。 Mercurial 1.3 より古い場合は、 ForestExtension を検討してください。

Mercurial 利用に関する実践的な入門は、 チュートリアル を参照してください。


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JapaneseUnderstandingMercurial (last edited 2013-04-05 16:20:43 by YuyaNishihara)