hg pullとしたのにワーキングディレクトリはからっぽのままです

Mercurialというシステムにはリポジトリとワーキングディレクトリの2つの概念があります。hg pull はリモートリポジトリでの変更をローカルリポジトリに引っ張ってきますがワーキングディレクトリは変更しません。

そのおかげで引っ張ってきた変更をまだマージできずに作業中の状態がめちゃくちゃになるのを防げます。マージもやりやすくなります。

ワーキングディレクトリを更新するには、hg updateを実行してください。pullをするときにワーキングディレクトリも更新したい場合はhg pull -uとします。こうした場合はローカルでの変更をマージしたり上書きしたりはしません。

古いバージョンに戻したいのですが、どうすればよいですか?

hg update -C <version>で最新版が上書きされ指定したバージョンに移動します。

hg revert <version>とするとワーキングディレクトの内容は指定したバージョンにまで戻ってしまいますが、次のコミットでのparentは変化しません。revertは現在のバージョンの変更をなかったことにするために使うもので、古いバージョン上で作業するためには使えません。

(訳注:hg update -Cではワーキングディレクトリの内容とparentの両方が変化しますが、hg revert <version>ではワーキングディレクトリの内容は変わりますがparentはもとのままです)

revertでワーキングディレクトリを戻したのですが完全には戻りません

多分hg update -mをしたのでしょう。つまりhg parentsで見られるparentが2つになっていませんか。hg revertではワーキングディレクトリをprimary parentに戻すので、2つの親の間で異なる部分は戻されません。hg update -Cで完全に戻ります。

リビジョン間を移動したい場合はきっとhg update -Cが有用でしょう。

からっぽのきれいなワーキングディレクトリが欲しい

一番簡単な方法はhg clone -Uを使うことです。こうすると新しい複製を作りますがワーキングディレクトリ上には何も置かれません。

: hgrcをもとのリポジトリからコピーしたほうが良いかもしれません。

からっぽのディレクトリをaddしようとしたがうまくいきません

Mercurialではディレクトリの履歴を管理しません。ファイルのみ管理します。普通は問題ないのですが、ファイルを1つも持たないディレクトリは取り扱えません。からっぽのディレクトリはそう便利というものでもなく、実装が複雑になりかねないのですぐに修正するつもりはありません。以下のような解決策を用いてください:

コミットしたときにメールを出したい

CommitHook を見てください。

多くのファイルのあるディレクトリのなかで少数のファイルだけをMercurialの管理下に置きたい(例えば ~/ )が、diffやcommitに時間がかかる

printf "syntax: glob\n*\n" > .hgignore

とするか、もしくは 0.7 以降であれば

printf ".*\n" > .hgignore

としてもかまいません。

こうするとhgコマンドは明示的にファイルを追加しない限りすべてのファイルを無視します。

何故ファイルのmtimeがチェックアウト時に元に(訳注:コミット時のものに?)戻さないの?

makeやdistutilsのようなビルドツールを使う場合、古いリビジョンにupdateするとそれらのツールによるファイルの更新がうまくいかないかもしれないという問題があるからです。さらに新しいほうのチェンジセットのほうがタイムスタンプが古い可能性もあります、というのは他のリポジトリからのpullや人からのパッチをimportした場合、リポジトリから取り出した 新しいチェンジセットのせいでタイムスタンプが 古く なってしまうかもしれないからです。

(訳注:以下の訳はかなり怪しい) hg archiveを使うと、別のディレクトリにチェックアウトするようなことができます。これでタイムスタンプを制御できます。このディレクトリは新しく作られるので、後から別のチェンジセットに切り替えられたりすることがなく、上で挙げたような問題は生じません。